技術開発

地質環境評価

地質環境は、安全性,利便性といった一方的、短期的な評価だけではなく、自然の変遷,変動のなかで美しい景観、生態系が形成されたことについても評価すべき事項です。そして、人と自然の係わりの歴史とその背景にある人と人の関係を含めて,現在の環境を評価し,将来の目標像,あるべき姿を設定して,
方策を講じることを提案します。
生態系は,地形・地質・地表水・地下水・気象などが相互に作用する多様な環境ユニットの上に成立しています.特に生育基盤である地形地質環境は重要であり,植生は地形地質環境に強く依存しています.このような関連を研究する学問は地生態学または景観生態学と呼ばれています.『応用地生態学』は「静的な地形地質場のみならず動的な地形地質プロセスまでを考慮して持続可能な土地利用および環境保全を可能とするための具体的な方法論」と定義されています。私たちは大学や研究機関との協働によって、持続可能な環境保全に貢献します。
「人間地質学」は柴崎達雄(1982)によって提唱されたものです。当時は,地下水揚水における地盤沈下などの公害問題,地下水を含む資源利用の問題,道路建設や農地開発などインフラ整備に関する問題関する社会的要請が背後にあったようです。
人間と自然の係わりの歴史とその背景にある人間と人間の関係を含めた「人間と地質環境のプロセスユニット(HGPU:human geologic process unit)」として,現在の環境を評価し,将来の目標像,あるべき姿を設定して,方策をご提案します。
発表年 発表論文 論文掲載 発表者
2019 人工地層と地質汚染-兵庫県におけるスラグによる谷埋め造成地の事例- 第29回環境地質シンポジウム論文集、社会地質学会、7-8 笠原茂
2019 地下水利用と生態系-和歌山県における圃場整備による地下水変化の事例- 第29回環境地質シンポジウム論文集、社会地質学会、67-68 笠原茂
2016 大阪湾岸域の埋立地に置ける地質汚染 第26回 環境地質学シンポジウム論文集、社会地質学会 147-150 笠原茂
2012 南部湿原のボーリング調査 「山門水源の森」報告集,vol.6 藤本秀弘,笠原茂
2011 生物多様性と土壌汚染
-応用地生態学と
人間地質学の視点-
第20回環境地質学シンポジウム論文
集,地質汚染-医療地質-社会地質
学会,129-132
笠原茂
2011 大阪市域における鉛汚染
土壌の鉛同位体比の特徴
第20回環境地質学シンポジウム論文
集,地質汚染-医療地質-社会地質
学会,73-78
笠原茂,井口博夫,
森川美幸
,室勇臣
2009 鉛同位体比からみた大阪市
域の鉛汚染土壌のなりたち
日本応用地質学会関西支部
平成21年度研究発表会講演論文集
笠原茂
2009 山門水源の森における
「人間と地質環境」の
プロセスユニット
「山門水源の森」報告集,vol.2 笠原茂,井口博夫,
小串重治
2008 VLF-MT法による西宮市御前
浜干潟の浅部地下水の挙動
物理探査, vol.60,No.6 井口博夫,安部健作,
笠原茂
2008 都市部沿岸潮間帯の窒素
動態に及ぼす海水再循環の
影響
日本地球惑星科学連合2008年大会 小野寺真一,石飛智稔,
齋藤光代,梅沢有,
田畑育海,谷口真人,
宮岡邦任,林美鶴,
藤井智康,笠原茂

その他
区分 発表年 タイトル 掲載 発表者
単行本 2010 美しい日本列島の修復と環境資源利用を目指して~単元調査法と地方分権の重要性~ 環境新聞社 楡井久,古野邦雄,半野勝正,
池田秀史,桧山知代,笠原茂,
風岡修,熊井久雄,楠田隆,
三田村宗樹,小原崇嗣,
大賀英二,高松武次郎,
武島俊達,高嶋洋(恒太),
竹内美緒,上砂正一,山上毅
座談会 2008 地域共有資源・地下水盆の地
下水資源管理と地質汚染
環境新聞H20.12.3 楡井久,熊井久雄,
三田村宗樹,古野邦雄,
上砂正一,笠原茂
書評 2008 国民による国民のための地質
汚染完全浄化(楡井久著)
月刊「産業と環境」
7月号 通巻428号
笠原茂
発表者のアンダーラインが社員です。